お父さん、あなたが頑張れば頑張るほどに、逆効果?


子どものことで悩んでいるお父さんのお話しを聞かせていただいた時

立派なお父さんだということは、すぐに分かりました。


家庭では力強く頼もしい父であり夫であり、地域でも頼りにされるようなお家で

職場では上司からも部下からも、取引先や顧客からも信頼され

確かな業績を積み重ね、地位を確立した、そんな男性に見えました。


「そんな自分が、育児に失敗するはずがない。」

「よりによって自分が、養育の仕方を間違えたと?そんなことはあってはならない。」

「自分は正しく育ててきたのに、なんで子どもはこうなってしまったんだ!?」


お父さんの心の声が聞こえてくるようでした。


子どもさんは、どうやら引きこもっているようでしたが、私は

子どもさんが引きこもっているのは、お父さんの引きこもり具合を投影しているのだと思いました。


お父さんが何に引きこもっているのかというと・・・

数字の世界に引きこもっているのです。


実績や業績がすべて、数字に表されたことのみが信用に値することであり

たくさんの人が賛同して良いと評価されているものが良いに決まっている、という世界観です。


少数派よりは、多数派の方が有利で

世論という波に乗っている方が安心で安定しているから?

“数”がものをいうから?

数が多い方が、正しいとか優れているとか認識されるから?


一人よりたくさんの方ができることが大きいこともあるでしょう。


だけど、子どもさんはその価値観を持ち合わせていないのです。


お父さんが間違っているわけでもない。

数字の世界で実績で生き抜くことはとても大変なことで、パワーや努力だけではなく、さまざまなことが必要とされますね。


お父さんがご自身の世界で懸命に力を注ぐのは、愛する奥さまや子どもたちのために、大切な人たちを守って幸せにしたいという思いからで

親や地域の人や仲間や顧客や、もっと広く、世の中を良くしていこうとする信念からなのでしょう。


お父さんの成し遂げたことは、本当に尊敬に値するすばらしいことだと思います。


ただ・・・

子どもさんは、お父さんと同じ物差しで世の中を見ていないのです。

“数”では測れない世界に生きていて

“数”に反応する計算機が、頭の中で機能しないのです。

だからお父さんが、お父さんが生きてきた世界のレールにのせようとすればするほど

離反することになってしまう。


それぞれたった一人の存在として

たった一つの道を生きている子どもさんを、見つめてあげてください。


たとえ、学校の先生や権威的な立場の人がなんと言おうと

周りの人や、世界中の人がどう言おうと

お父さんは・・・

お父さんとお母さんだけは、子どもさんに

眼差しを注いであげてください。


子どもさんに向き合うときは、お父さんがご自身が生きている時の眼鏡をはずして

彼らを見つめてあげてください。


それは、離反する二人が凪の地点で会うということです。

それぞれの立ち位置に吹き荒れる価値観の嵐が静まっている地点で、お互いの違いを認め合い

違うままで・・・互いの理解が深まり、心地良い関係であれたらいいですね。